マスターズ陸上・世界選手権 参加日記

2009年7月29日 (水)  十種競技後半

 2週間前に、兵庫選手権で十種を経験している分、今朝はあまり疲れや筋肉痛は、感じませんでした。「さあ、今日はやるぞ!」
 今日の目標は、110mハードルと1500mの2種目で1位をとって、トラック全4種目制覇、そして棒高跳びも1位をとって、5種目制覇です。

 計算すると、3位のラッツを逆転するには、ハードル16秒5、円盤25m、ポール3m80、やり37m、1500m4分55秒が必要だと思われます。きびしい戦いですが、がんばります。
 6時起床、7時朝食、8時出発。競技場到着9時30分、コール11時25分、競技開始12時です。

・110mハードル

 どうも最近、向かい風に苦しめられています。兵庫選手権も、100m、幅跳び、ハードル、棒高、すべて向かい風でした。今日もすべて向かい風、ハードルも他の組は追い風だったのに、私の組だけ向かい風でした。うーん!

 今日も「セット」からピストルが以上に速い。セット・バーンでスタート。1台目、浮いてしまい減速、そこから2台目、3台目と立て直し、独走でゴール。速報計時は「17秒23」(げっ、17秒台か、がっくり)

(ハードルの映像はこちらをクリック)


 110mH 17秒23(−0.4) 1位 755点 総合4位かわらず

 それでも、自己セカンドタイム。十種ではベストタイムですが、アレックス、ラッツ、5位のジャージーともに18秒0台で、あまり差を詰められず。しかしブライアンが19秒26と失速、総合3位に順位を落とします。
 イタリア大会で16秒台で走っていたアレックスも、お腹に肉が付いて、走るのは遅くなったようです。110mHも、私が種目1位をとりました。

110mH
1位 いけの 日本 17秒23
2位 アレックス イギリス 18秒02
3位 ラッツ ドイツ 18秒05
4位 ジャージー ポーランド 18秒10
5位 デレク イギリス 18秒69
6位 ジーン フランス 18秒73

総合順位
1位 アレックス イギリス 4436点 +161
2位 ラッツ ドイツ 4385点 +105
3位 ブライアン アメリカ 4313点 +38
4位 いけの 日本 4275点 いけのとの差
5位 ジャージー ポーランド 4019点 -256
6位 ジェラルド ドイツ 3740点 -535


・円盤投げ

 ラッツも、ブライアンも30m飛ばすので、できるだけ差を広げられないようにしておきたかったのですが・・・
 例によって、適当に練習。練習では25mほど飛んでいたのですが。

 現在2位のラッツは、順位を気にしてさかんに私にチェックを入れてきます。「棒高のベストはいくつだ」、私が「3m80」と答えると結構びびっていた様子。棒高で全然跳べないと得点差がつきやすいものです。
 「1500mのベストはいくつだ」「私は4分40秒だ」。私が「4分47秒」と答えると、(勝った)とちょっと安心した様子。でも私のベストは、何十年前ではなく、今年の春、出したとこなんだけど・・・それは言わずにおきました。

 1投目23mオーバー、最低限の目標クリアー。2投目、25m飛んだものの、右にファール。3投目、わずかにロング。

(円盤投げの映像はこちらをクリック)


円盤投げ 23m83 14位 367点 総合4位かわらず

 アレックスは40mオーバーで、いよい独走態勢に入ります。ラッツもブライアンも30mオーバー、2位3位との差は、243点、184点に広がり、いよいよヤバイ状態に。もう棒高に賭けるしかない!

円盤投げ
1位 アレックス イギリス 40m73
2位 ウエ ドイツ 33m91
3位 アラン イギリス 31m57
4位 ジェラルド ドイツ 31m43
5位 インゴ ドイツ 31m27
6位 ブライアン アメリカ 30m90

総合順位
1位 アレックス イギリス 5157点 +515
2位 ラッツ ドイツ 4885点 +243
3位 ブライアン アメリカ 4826点 +184
4位 いけの 日本 4275点 いけのとの差
5位 ジャージー ポーランド 4502点 -140
6位 ジェラルド ドイツ 4264点 -378


・棒高跳び

 例によって適当に練習開始。メジャーがないので、30mの印を教えてもらって、目測で助走距離32m30、マーク15m30を設定。いい追い風が吹いて、調子よくポールが立ちます。握り3m90。バーを掛けての練習も適当に、自己申告で練習します。私は3m60を1回軽くクリアーして終了。
 記録無しを避けるため、そして競技を待っている間に急に風向きが変わって助走が合わなくなることを避けるため、3m30を試技開始にして様子を見ます。

 2m50から競技開始、しばらく休養です。
 3m30になっても風向きは変わらず、大丈夫そうなので、3m30はパスして3m40から試技開始にしました。ところが・・・

 いきなり風向きが変わり、向かい風に。やむなく助走を30cm短くしてスタートしましたが、案の定、棒が立たず、アップライト60cmではきびしく、ぎりぎりのクリアーでした。
 3m50はパスする予定でしたが、これは危ない!もう一度助走を合わせておかなくては。
 3m50、1回目クリアー。風はまだ向かい風。ラッツは3m50を失敗し、3m40で終了。ここで差を広げるチャンスです。
 3m60、1回目クリアー。最低目標は達成です。風は止んできて無風状態、助かったと思った矢先、突然雨が降り出しました。「まいったなあ。勘弁してよ」。
 雨の中、3m70、1回目クリアー。3m80、1回目クリアー。雨は降っていますが、風は止んだので、追い風で背中を押してもらうことはできなくても、向かい風がない分、助走が楽になってきました。ここでアレックスが3m80失敗で終了。棒高跳びでも単独1位確定です。

 調子に乗って、自己ベスト新の3m90挑戦。1回目失敗するも、2回目成功。

(3m90成功の映像はこちらをクリック)

 肉離れで戦列を離れたイギリスのアランが、踏み切り位置の確認とアドバイスをしてくれます。「上にではなく、前に跳んで棒を押せ」「ロックバックで足を上げてターンしろ」
 自己新を出して、疲労を考えると、もう充分なところですが、長年目標としていた4m00に挑戦の初めての機会です。勝負は度外視しても、調子に乗って挑戦します。場内放送も「マサヒロ・イケノが4mに挑戦するぞ」と言っています。

4mへの初挑戦、でも4mは高かった。

 しかし、4m00はあえなく3回とも失敗、もう限界でした。結果的には、肩と背筋への負担が大きく圧し掛かり、次のやり投げの失速につながるのでした。

 棒高跳び 3m90 1位 787点 総合3位浮上

 ここでブライアンが3m20で終わったため、3位と4位が入れ替わり、総合3位に浮上。しかし、やっぱり世界の上位陣は最低でも3m20以上は跳んできます。さすがですね。思った以上に差は詰められませんでしたが、2位のラッツとは、73点差、ブライアンとは逆に49点リードしてやり投げをむかえます。

棒高跳び
1位 いけの 日本 3m90
2位 アレックス イギリス 3m70
3位 ジャージー ポーランド 3m60
4位 ラッツ ドイツ 3m40
4位 ジーン フランス 3m40
6位 ブライアン アメリカ 3m20

総合順位
1位 アレックス イギリス 5876点 +447
2位 ラッツ ドイツ 5502点 +73
3位 いけの 日本 5429点 いけのとの差
4位 ブライアン アメリカ 5380点 -49
5位 ジャージー ポーランド 5187点 -242
6位 ジェラルド ドイツ 4786点 -643


・やり投げ

 体が重い。4mへの挑戦は、大きな負担となりました。練習でも30mほどしか飛ばない。やばいぞ。

 1投目、33m少し。35〜37mは欲しいところです。2投目、失速31m。相変わらずやり投げは不得意です。なぜ飛ばないのだ。3投目、33m46。

(やり投げの映像はこちらをクリック)


 やり投げ 33m46 14位 458点 総合4位におちる

 だめだ!アレックスは51m、ラッツは40mオーバーで、2位との得点差が197点に広がってしまった。1500mで30秒の差です。銀メダルは絶望的です。ブライアンもやりは得意ではないが、それでも37m10、またまた逆転され、4位後退、16点差をつけられました。それどころか、5位のジャージーが、ポール3位の3m60、やり2位の46mで、知らない間にわずか9点差に詰め寄ってきました。4位も危うい。勝負はいよいよ最終種目1500mにかかってきました。

やり投げ
1位 アレックス イギリス 51m61
2位 ジャージー ポーランド 46m31
3位 ウエ ドイツ 44m61
4位 ジリ CRP 44m36
5位 インゴ ドイツ 42m89
6位 ラッツ ドイツ 40m36

総合順位
1位 アレックス イギリス 6665点 +778
2位 ラッツ ドイツ 6084点 +197
3位 ブライアン アメリカ 5903点 +16
4位 いけの 日本 5887点 いけのとの差
5位 ジャージー ポーランド 5878点 -9
6位 ジェラルド ドイツ 5223点 -664


・1500m

 最終種目の1500mは、ラディオマキからバスで移動し、メインスタジアムで行われます。19時30分開始。

  3,4,5位が5秒以内の得点差に入る僅差の戦いです。銅メダルのためには、3位のブライアンに3秒以上の差で勝つこと、かつ5位のジャージーに1.5秒以上負けないことです。がんばって4分50秒ぐらいで走って、2位のラッツが5分20秒かかれば、銀メダルの可能性もあるので、とにかく全力で走ります。

 1周目、早くも100mで先頭に立ちました。「1500mもトップをとるぞ!」。400m通過75秒、2周目いよいよ独走になり、800m2分35秒(2周目80秒)、場内放送でもさかんに「マサヒロイケノがトップだ」と言ってくれています。うれしいですね。3周目のラップも80秒で、1200m3分55秒で通過。ラストスパートをかけるも、足が上がらず、かつ「もうこれで銅メダル確定?」と甘い気持ちになり、余力を出し切れず。ラスト300m59秒かかり、中途半端に疲れて、1位でゴール。


 もうちょっと余裕を持って、ガッツポーズでゴールするか、余力を出し切ってヘロヘロでゴールするか、どちらかにすれば良かったです。

 1500m 4分54秒03 1位 791点 総合3位

 それでも、自己3位の記録、十種の1500mではベスト記録です。結局、ラッツは4分58秒でゴール、速いね。170点差の完敗です。ブライアンとジャージーは、ともに5分19秒で、総合4位と5位でした。

 十種競技 総合得点 6678点(日本新記録) 3位 銅メダル


1500m
1位 いけの 日本 4分54秒03
2位 ジーン フランス 4分57秒38
3位 ラッツ ドイツ 4分58秒15
4位 デレク イギリス 4分59秒79
5位 マルク フィンランド 5分17秒46
6位 ジャージー ポーランド 5分19秒17

総合順位
1位 アレックス・クルーガー イギリス 7111点 +433
2位 ラッツ・ナッシュ ドイツ 6850点 +172
3位 いけのまさひろ 日本 6678点 いけのとの差
4位 ブライアン・カーシー アメリカ 6547点 -131
5位 ジャージー・クラウズ ポーランド 6524点 -154
6位 ジーン・J・マイケル フランス 5812点 -866


 結局、4位とは130点以上差が開き、ポールが3m60で終わっていても、3位の結果は変わらずでしたが、ポール以外は、本当に会心の出来はなく、全部そこそこの結果に終わりました。もう少し出来が良ければ、銀も狙えたかと思うと、少し悔しいですね。

 得意種目により次々と順位が入れ替わり、最終種目にもつれ込む本当に厳しいでした。例年に比べて、人数は少なかったですが、上位陣のレベルは高く、トップの7000点オーバーを始め、6500点でも5位になるというレベルの中で、銅メダルをとれたことは、本当にうれしく思います。

 また、トラックは、一番でゴールするも速報計時を見て「えー、12秒台か」「えー、54秒」「えー、17秒!」といずれも満足いくものでは、ありませんでしたが、十種目中、五種目でトップをとり、ある意味、一番目立っていた存在だったと思います。と同時に投擲の弱さも痛感させられました。

 もちろん、M45日本記録(5964点)は、更新ですが、マスターズの年齢係数をかけない素点でも5091点で、自己ベスト(5066点)を少しだけ更新でした。

4位のブライアンと5位のジャージーと

日記・トップに戻る